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あー、さて……思い出したのですが、本作中で「碓氷の架線電圧は半分の750V」というコトを喋ったのですが、「なぜ750Vにしなければいけないのか」の理由を説明してなかったなぁ……と思いまして
ここにみすずが説明に来てくれればいいんですけど、むさい作者の説明で勘弁願えればと思います。
日本の鉄道、ことにJRに限ればに3つの電力供給方法があります。
一つは多くの路線(在来線)で主流である、直流1500V。もう一つは交流20000V。最後に新幹線仕様の交流25000Vで、私鉄も概ね直流1500Vです(600Vとかもあるそーですが)。
かつて横川−軽井沢を繋いでいた信越本線は1500Vですが、碓氷峠鉄道文化むらが開園し、旧信越本線の軌道を利用したEF63体験路線が作られた際に、電圧は半分の750Vに設定されたのでした。
なぜかというと……碓氷峠鉄道文化むらはJRはないので、横川駅からレールは繋がっていても、架線の方はカットされてたのですね。
こんな感じで。
なので、七章のあのシーンのように、横川駅から鉄道文化むらに車両を入れる、または逆に横川に運び込むときは、ディーゼルのモーターカーを使って出し入れするのです(あのシーンは手押しでしたが、走行抵抗の軽い電車なら1両あたり三人もいれば押せるそうです)
体験路線脇にある、この変電設備で直流750Vの給電をしているようです。
なぜそこで定格である1500Vではなく、半分の750Vになったのかというと……
1,貨客運用しないから
往年はEF62に牽かれた貨車や、急行「あさま」などが行き来し、それをEF63は重連で押してたのですが、碓氷鉄道文化むらになってからEF63だけで来園者の体験運転にて使用するようになったので、定格でがっつりフルパワー運用することもない、ということが理由の第一にあるようです。
2,電気代の問題
直流1500Vに変電して供給するとだと、どーも電力消費による電気代が嵩むようで……なのでEF63を体験運転で使うだけなら、半分の方が経営に優しい、と。
ちなみに750Vでも車両内の100Vで動く計器や装置を作動させるため、ローボルトリレーという回路を使っています。
#ここの解釈を間違って、鉄道顧問の人に指摘されて大修正が(笑)
3,EF63の保全の為
EF63は動態保存機は4両ありますが、1960年代に製造されたけっこー年季の入った機関車です。同型機もパーツももうない、という割と寂しい機関車であります。実際もうメンテナンスしようにも……という実情もあるようです。
なので、体験運転で動かすにあたりEF63の負担を減らす意味もあって、750Vに設定しているそうです。特に理由も無く1500Vで動かすと、内部の配線とかが痛んで漏電とかしかねないと……。
そんな理由で750Vで今の横川の供給される電圧になっております。ただ、これをどこかで語るタイミングがなかったので……それよりみすずが喋らなきゃいけないことは沢山ありましたので、音の話とか。音の話とか!
では……EF63が半分の電圧で本当に、169系3両を押せるのでしょうか?
これは碓氷峠鉄道文化むらの方にもお伺いし、その上でとある鉄道企業の技術の方に検証をしていただき、いける!という判断を頂きましたので、安心?して作中でやったのでした。
これがその資料。
あっ、でも私だとこれの読み方がわからない……!(笑)