阿羅本景infomations

小説家・シナリオライター・漫画原作の阿羅本の告知系BLOGになります

『碓氷と彼女とロクサンの。』キャラクターの話 その6 志賀葵&佐原教官


碓氷と彼女とロクサンの。 (ファミ通文庫)

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 さて、第六回目となりました『碓氷と彼女とロクサンの。』キャラクターのメイキング秘話? ですが、今回は物語の脇を締めてくれたキャラクターの二人、志賀葵佐原教官の二人です!


 真の姉の葵ですが、実は主人公の真よりも先に概要が決まっていたキャラでした。
 キャラクターは得てして「こういうキャラクターを出したい!」という欲求や願望が先にあるべきであり、物語の必要上からキャラクターを生んでいくとあまり生き生きと出来ないという事があると思うのですが……葵に関しては、割と後者の生まれ方をさせてしまったような感じがしております。

 主人公に対して、物語上の乗り越えるべき壁となるキャラクターを置きたい。
 で、『碓氷と彼女とロクサンの。』はしぇるぱ部とはいっても学校の中で活動はしないので、主人公に対して強い抑制を掛けられる血縁の立場にいないと、ストーリー上の問題となり得ない。
 そうなると、完璧超人の姉が居て主人公のやることにNGを出すのがいいかな、と思ったのでした。ここで父親母親にしてしまうと、主人公の悩みのベクトルが家庭問題に向いてしまってどうもお話がまとまらないので、姉くらいがいいよなぁ、と……あと兄が障害になってしまうと、その、ラノベ的にはおいしくありません
 で、主人公が女顔で女装が似合うくらいなので同じ血を引く以上当然美人、全キャラクターの中で一、二を争うほどじゃないと説得力がない。なのでどんどん強そうな要素を盛ってしまえ! と。
 ……なぜ日本刀を振り回す剣術の達人までになったのかというと、その、「純和風の美人」という設定と、主人公が絶対敵わない感を出そうとして、そうなると武装が……ううむ、ここは賛美両論だったかもしれませんが、やっぱり日本刀と美少女はセットで出すべきなのですよ! と主張してみたいところでございますな。
 和服に美女に日本刀なので、むしろイメージは極妻なのかもしれませんが。

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 名前に関しては、特にこだわりがなかったかなぁ、と……割と「真の姉」という呼び名で初期は呼ばれていましたし、格好良さ目の女性の名前と言うことでいろいろ名前リストを見て、一文字名前がいいなぁ弟と共通性があって、ということで「葵」になりました。
 あと、キャラデザインがわりとバーニア600先生が難航されたようで「このキャラ、どれくらい怖く?デザインしますます」と聞かれ「セルベリア・ブレス以上 バラライカ&草薙少佐以下」という身も蓋もない答えをしたもので……おう、なるほど、とイラストを見て膝ぽんしたのであります。

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 彼女は作中で主人公としぇるぱ部の前に不条理に立ちふさがる……ようにも見えますが、よく考えてみてくださいませ、みな皆様。
 かわいがってる弟が、なんか奇妙な企みゴトををする女性陣に拉致られ、そのあげくに女装してビデオを撮ってインターネットの世界に放流されていると知れば――まぁ、日本刀を持って大暴れくらいしたくなるくらい激怒してもおかしくないなぁ、って(笑)。
 あと、お姉さんは弟をラブすぎる(けど弟は気がついてない)ってのはみんなもうすうす気がついてるんじゃないのかなー、と……「私の真」とか言っちゃいますからねぇ、絶対生徒手帳に弟の顔写真とかいれて持ち歩いてますよ、このお姉さん。
 『碓氷と彼女とロクサンの。』は彼女がないとやはり成り立たないお話なので、しぇるぱ部のヒロイン並に私としても、気に入っております。


 そしてもう一人のお話を脇から絞めてくれたかっこいいキャラクターというと、文句なく佐原教官になると思います。
 ……いやぁ、佐原教官に関しては語りにくいなぁ、と……この人だけは半分以上実在しているので、まぁなんというのか。
 ええ、今は碓氷鉄道文化むらの嘱託職員であり、かつて国鉄国鉄で機関士を勤め、EF63の誕生から運用廃止までを見守り、EF63体験運転の教官を今もなお勤められている『鬼軍曹(byバーニア600先生)』こと佐藤氏でございますね、モデルは。
 碓氷の話が出てきたときから、文化むらには鬼軍曹が居て! 出さなきゃ という話を聞き、そして取材の段で直にお話を伺った……ですけど、ああこの人キャラすごい立ってるわ、このまま出さなあかんな、とお話をしていて思ったのでした。
 ほんっっっっとうに、ああいう人なんです佐藤さん! いやぁすごいな、と。
 さすがに名前をそのままでお出しするとさすがに問題があったので、もう一方の教官の竹原さんと名前をニコイチしたのですが……読者の中でも碓氷のEF63体験運転をされたことが方は、全員「あ、これ佐藤さんだ」ってわかるんじゃないのかと思います。
 しぇるぱ部のヒロインたちよりも、実在感が強烈なキャラクターですが……うん、やっぱりかっこいいおじいちゃんとして、活躍してくれましたね……というかなんだろうこの、ラノベに出してしまった事への申し訳なさみたいな……みたいな?
 いやぁ、でも佐藤さんはお話を伺うとロマンチストで、在りし日の碓氷や機関車のありとあらゆる細々としたことを教えていただき、本作において佐藤さんのご協力が伺えなければ、ここまで鉄道ファンの人にも楽しんでもらえることはなかった! と言ってもいいほどにお世話になった方でした。本当にありがとうございます……感謝しきりでございます。
 で、その、コメントページに載ってるバーニア600先生の佐原さん画は……デザインとか何とか言うより、デッサンといった方がしっくりくる……(笑)

 さて、キャラクター関係に関しましては、概ねほとんど語り終えたかなぁ、と……そして、明日にはちょっと大事なことを告知したいと思います〜、どうかよろしくお願いします!