阿羅本景infomations

小説家・シナリオライター・漫画原作の阿羅本の告知系BLOGになります

『碓氷と彼女とロクサンの。』キャラクターの話 その4 丸池みすず

FBページ『碓氷と彼女とロクサンの』

……すいません、FBのページを発売前から作っていたのですが、告知忘れてました……でも、ネタはほとんどこっちが初出なので、もしFBに登録している方がいらっしゃれば、ご覧頂いたり「いいね!」してもらえるとありがたいです。

碓氷と彼女とロクサンの。 (ファミ通文庫)

碓氷と彼女とロクサンの。 (ファミ通文庫)

 さて今回はするっと導入で、『碓氷と彼女とロクサンの。』のキャラクターメイキング秘話、しぇるぱ部女性部員4人目で軽井沢側の一年生、丸池みすずちゃんでございます!

 なつきち、明日香部長、朱鷺音ねーさんと割とモデルとなるキャラクターがあれこれ話が出来るのですが、みすずに関してはその辺のモデルがない、ある意味このお話のために新規に作られたキャラクターになります。
 ただ、女の子増やせばいいやぁ、と言うわけではなく彼女に関してはこのお話ならではの、役割を持っておりました。


 一つは、鉄道に関して語るキャラクターが居ないと碓氷峠やEF63に関しての説明が、文中で出来無いから詳しいヤツが欲しい、という要望でした。もし主人公の真が鉄道マニアならその心配は無いのですが、彼は想定一般読者と同じくらい鉄道に疎い上に、作品を一人称形式にする事が決まったので、どうしても地の文で解説が出来無いのでキャラクターにその役割を託さなくては、ということがありました。
 なつきちは詳しい事は詳しいのですが、彼女にそこまでやらせると過重労働ですし、明日香や朱鷺音は……相応に詳しくはあるのでしょうが、真くんに語るというキャラクターではない気がしまして。
 なので、鉄道マニアというしぇるぱ部にいてしかるべきですが、いなかった属性がみすずに乗っかる事になったのです。そうなると、いかにもなマニアトークをする熱心さと、それでも可愛いって思わせる純真さを持ち合わせてないと読者の好感を得られないなぁ……ということで、可愛い鉄道オタ、というみすずのキャラクターの基礎が出来たのでした。
 ちなみにそれでどの鉄道属性を付けるか、という問題がありましたが、ここは鉄道音声マニア、いわゆる『音鉄』になったのはバーニア600さんの要望でした。
 『RAILWARS』にも札沼さんが音鉄で、彼女のその趣味が事件解決を導く巻がありましたが……碓氷のEF63も特異なブロワー音が売りであり、そういう意味でもみすずの音鉄という趣味は上手く合致したと思います。音鉄ならでは、のシーンも盛り込めたと思います。

 しかし、真と初対面で音鉄クイズをするような強者になろうとは、初期段階では予想もしなんだですよ(笑)


 二つ目は、キャラクターの出身サイドの話で、なつきち&朱鷺音が横川サイドの住人なので、バランスを取るために明日香と同じ軽井沢サイドに一人割り振る必要があった、ということがあります。
 それに明日香部長がお嬢様、という設定があるので、やはり身の回りのお世話役がいないとダメだよなと……なので彼女に振り回される、メイドさん役としての役割がみすずに付与されたのでした。
 語りたがりの鉄道マニアですが、お嬢様に頭の上がらない内気で臆病なところがある……という性格の二面性が出せたと思います。
 というか、こういう安全装置を内蔵していないと朱鷺音よりもやばい人になりかねなかったのですな(笑)

 だいたいこの二つの要素がお話の要求があり、そこでキャラクターの成すべきこと、概ねの性格が見えてきたのでこれ以上ひねりを加えず、変な事を言うけど可愛い子にしよう! という願望で書いていたのでした。
 変な癖がなかった分、みすずは可愛く動かすのにそう困難を感じなかった(朱鷺音とかに比べりゃまぁそのあなたw)のですが、無我夢中鉄ポタクトークの変な熱さもだせたので、満足です
  あとは鉄道サイドのキャラクターだったので、作中ではメンテナンス関係やメカニクス関係の担当キャラの割り当ても、当然のことながらすぐに決まりました。というか、彼女以外適任者が居ない。
 名前に関しては、碓氷を通った特急『丸池』と信越本線の長野側を走った快速『みすず』から付けました。というかみすずは名前を決まるのが遅くて、『丸池』にしようという提案を頂いたのでバーニア600さんからでした。
 そして音鉄なのでキャラデザインはヘッドホン娘であり、ソニーのモニターヘッドフォン着用なのはお約束中のお約束です。

SONY 密閉型スタジオモニターヘッドホン MDR-CD900ST

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 初期段階では眼鏡っこはみすずだったのですけど、朱鷺音に眼鏡の精は取り憑いて、彼女にはヘルメットの精がやってきた……(笑)

 ……いろいろと物語上の必要ばかりをクローズアップする形でみすずのことを語りましたが、作者としてはお話の中では純朴で可愛い娘としてすごくよく動いてくれたと思います。特にメカニカルトークになって読者の注意が散漫になりやすい、三章の碓氷のアプト式・粘着運転とEF63語りとかは彼女の独擅場の感がありますね。
 さらに、クライマックスの六章でEF63が戻られなくなった事を告げ、無理にでも戻らせようとする夏綺と口論になり、自分の無力さに無念の涙を流すあのシーンで、この子を好きになってくれた読者の方も多いのではないのか、と思います。
 ……でも、割とやっかいな音鉄ですけど。ああ、鉄道音トークに関してはすごく、バーニア600さんに助けて頂きました……阿羅本は真くんなみに「……そんなに音ってちがうの?」って言うヒトでしたので、ええ。
 みすずを書いたおかげで、今では関東で電車に乗る度にIGBTインバーターの音に耳を傾け傾注するように……はっ、調教されてる!?(笑)

 しぇるぱ部のヒロインたちのメイキング秘話に関しては、とりあえず四人分は語ったのですが……あと、やっぱり真くんのことも語らねばならんでしょうねぇ、と。
 え? 佐原教官のことやんなきゃ、ダメ? あの人半分実在してるから、それはちょっとー!(笑)